フジテレビの長寿番組「笑っていいとも！」が、2014年3月を以て終了することが報じられました。笑っていいとも！といえば、新宿区河田町のフジテレビではなく、新宿区新宿の新宿駅東口駅前にある、三越百貨店のビル「アルタ館」内の「スタジオアルタ」から放送されていたことで知られます。

　この試みは画期的で、多くの視聴者ゲストを「９時にアルタ前集合」と言って容易に集めることができましたし、アルタの名称は瞬く間に全国区となり、新宿駅の待ち合わせ場所として最も有名となりました。今現在でもなお、渋谷のハチ公と並んで、日本一有名な待ち合わせスポットと言って良いでしょう。

　連日１２時に、一線で活躍するテレビタレントが新宿に集まり、全国に向かって生放送で超人気番組を放映する様は、新宿というブランドの向上に一役買っていたことは疑いがありません。正午には、一瞬でもテレビに映ろうと、アルタ前で手を振る一般人の姿が象徴的です。

　そんな新宿のスタジオアルタで、笑っていいともの生放送がなくなってしまうということは、新宿にとってもまた、一つの転換期となります。アルタには、タレントがスタジオにはいるための専用の裏口とエレベーターがあると言われますが、その存在も空しい限りになるでしょう。

　歌舞伎町浄化作戦や、中央リニア新幹線が新宿でなく品川発着に決まったこと、 そして近年の都心回帰傾向から、新宿エリアの衰退はとどまるところを知りませんが、また一つ、衰退の要因が現れたと言えそうです。