東京メトロ副都心線の開通に伴い、新宿三丁目駅周辺が賑わいを取り戻しているようです。元もと、この付近は甲州街道と青梅街道が分岐する追分で、宿場が置かれていた新宿の中心地です。伊勢丹百貨店も新宿駅から離れてこの地にあり、かつての三越や、寄席の末廣亭、東映などもこの付近にあり、街としての新宿の中心地であったとも言えます。 副都心線と丸ノ内線の新宿三丁目駅は、まさにこの街の核心部の地下に埋まっています。ここが、新宿三丁目駅の大きな利点です。JR新宿駅や小田急・京王の新宿駅はもちろん、渋谷駅や池袋駅でも、駅を出て、街の中心までは歩くことになります。渋谷駅では、わずかに半蔵門線のみが街の中心に埋まっていると言えますが、銀座や日本橋と違い、ターミナル駅として発展した街は、駅から出るとすぐに目的地、とは言えないのが現状です。 この点が好感され、新宿三丁目は、遠く東急沿線の城西地域から、東武・西武の練馬・埼玉方面まで、広範な地域からお客さんを集めているようです。 もうひとつのポイントは、やはり、伊勢丹の存在感でしょう。 今や数少ない百貨店らしい百貨店である伊勢丹本店は、若い世代を含めたファッションに敏感な客層に訴求力があり、どんなに遠くからでもお客さんを引っぱってこれるほどのパワーがあります。