楽しく読めて役に立つ、オール書き下ろし記事でお送りする新しい事典
「なるほど事典」は、毎日早朝7時前から新着記事をリリース。通勤・通学のおともに、ぜひブックマークを!
>> ゆで卵、茹でずに蒸して作ると、割れにくくむきやすい
>> 胃の内視鏡検査 痛い・苦しい 本当?

体外受精児であることを、将来、本人に告知しますか。

 
スポンサーリンク
 不妊治療技術の進歩はめざましく、今や、生まれてくる子どもの100人に1人が体外受精・胚移植によって産まれてくるといいます。体外受精に於いては、自然妊娠と比較しても、流産や早産、障害など先天的異常などの可能性が高く、産まれた後でも低体重児の割合が高いとの報告もあるようです。

 親としては、体外受精で授かったといえ普通の子どもですから、普通に育てたいわけですが、世間には、体外受精児を特別視する人が居ないわけではありません。「試験管ベビー」という呼び名で、特異な目を向ける人もいるでしょう。

 さて、産まれた子供が成長して物心がつき、さらに成長しても「お前は体外受精で産まれたのだ」ということを、一生、隠して行くのがよいのでしょうか。

 「わざわざ言うことではない」という意見もあります。しかし、既往症のように考えると、本人が自分で知っておくべきことかもしれません。将来、「体外受精児は老後に○○病の危険が高く、投薬で改善する」ということが分かるかも知れません。そんなとき、すでに親が死んでしまっていると、本人は投薬を受けるチャンスを逃してしまうのです。もっとも、これは極端な想像ですから、そんなことが起こる可能性は極めて低いでしょう。

 世の中の体外受精児のうち、どのくらいの割合が自分が体外受精児であることを知っているかというデータは、なさそうです。しかし、幼少期から思春期にかけては、何でも他人との違いを気にすることが考えられるので、言わないであげるのが妥当でしょう。それでも、心ない親戚の人が、「お前は体外受精児だ」とわざわざ話をするかも知れません。

 そうして、本人が成人して結婚し、やはり親同様に不妊に苦しみ、
体外受精を検討しだしたときこそ、初めて自分の経験と、本人の出生の秘密を話すべき時なのかもしれません。

スポンサーリンク
は編集部のオススメ記事です。