一昔前で言えば、長男と結婚した嫁は、旦那の実家に、旦那の両親と同居するのが当たり前の前提でした。しかし、嫁と舅の確執を好まない嫁はそれを嫌がり、次善の策として「実家を二世帯住宅に建て替える」ということが行われてきたのです。二世帯住宅なら確かに、玄関も台所も独立していて、完全に同居するよりはマシでしょう。

　しかし、現代の嫁は、ハナから同居など想定していません。昔は、「同居を阻止、二世帯住宅で妥協」でしたが、近年は「二世帯住宅を阻止、近所に住むのもイヤ」というのが常識になりつつあります。そして、嫁の謀略は、自分の実家のそばに新しく家やマンションを買わせることです。

　二世帯住宅など夫婦不和の原因にしかならないからおやめなさい、と、アドバイスする人が多いのは、これが原因です。

　では、妻の側としては、旦那が実家を二世帯住宅にしようとするのを、どのように思いとどまらせ、阻止すればよいのでしょうか？　まず、一に、二世帯住宅がいかに中古で売りにくいものかを実例を挙げて説明します。そして、二世帯住宅に住んでかえって夫婦や姑とぎくしゃくしてしまった友人の例などを話します。

　しかしもっとも効果的なのは、泣いて頼むことでしょう。 実際に二世帯住宅を建てる前から泣くほどイヤなのなら、建ててから後悔する可能性は高いですし、何より取り返しのつかないほど高額な投資なのです。絶対にうまくいかないと旦那が確信すれば、強く押し通そうとはしないはずです。