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日本語というのは言外の意味を汲み取らなければいけなくて、大変難しい言語だと言われます。あまり指摘されることはありませんが、「美人」もそのひとつですね。
文字通りの「美人」は、確かに賞賛の言葉ですが、日常会話においては、「美人」が良い意味に使われることはほとんどありません。女性の容姿を褒める場合には、「きれい」か「かわいい」を使うのが普通だからです。
そこを敢えて「美人」という言葉を使うのは、「確かに美しいんだけど………」という意味であって、それに続く言葉を飲み込んでいるのだと解釈するべきです。
続く言葉は、おおよそ次のようなものです。
容姿そのものに関するもの:
「確かに美人だけど、万人受けするわけではない」
「確かに美人だけど、ちょっとクセのある顔だ」
「確かに美人だけど、冷淡な感じがする」
「確かに美人だけど、私の好みの顔じゃない」
「美人だけど、太りすぎだ」「美人だけど、肌が汚い」「美人だけど、老けている」「美人だけど、南国風だ」
容姿以外に問題があるとするもの:
「美人だけど、性格が悪い」
「美人だけど、ツンツンしている」
「美人だけど、怖い」
「美人だけど、取っつきにくい」
ですから、「美人」と言われて喜んでいるようでは、まだまだです。
当然、容姿に関する賛辞の言葉は「かわいい」です。これには、若さや親しみやすさも込められていて、またイヤミがないということも含まれます。
美人と言われるより可愛いと言われるような人になりましょう。
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