秋というのは不思議な季節で、「スポーツの秋」だとか「味覚の秋」だとか「読書の秋」だとか「芸術の秋」だとか言われます。スポーツと読書だなんて反対のイメージですから、なんだか不思議ですね。果たしてそんなことが両立するのでしょうか? 他にも「天高く馬肥ゆる秋」とか「秋深しとなりは何をする人ぞ」などの慣用句もあり、童謡でも秋を歌ったものが圧倒的に多いのはご存じの通りです。「まっかな秋」「ちいさい秋みつけた」「紅葉」など枚挙にいとまがありません。 しかし、スポーツの秋だとか読書の秋というのは個人の趣味の問題です。秋には運動会がありますが、野球などはオフシーズンになってしまいます。読書は一年中可能で、好きなように読めばいいのです。ですが、「味覚の秋」については、少し事情が違うと思いませんか? 秋に美味しいものと言えば、マツタケ、栗、さんま、すじこ(いくら)、ブドウ、梨などですが、どれも季節性が高く、他の季節に比べると一段勝っているように思えます。 というわけで、どれが正しいかと言えば「味覚の秋」に一票を入れたいところです。 夏から冬へ転がり落ちる「秋」は、ホンの一瞬です。何にでも向いているこの季節を大切に過ごしたいものですね。