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 東京の世田谷区といえば、高級住宅街として通っています。もちろん、平均所得からいえば、足立区・葛飾区などの城東地域や、板橋区・北区などの城北地域に比べて、明らかに高いでしょう。都市の南西が高級住宅地になるのは、世界共通の傾向です。

 しかし、世田谷区は、これといって便利なところではありません。JRや地下鉄とは縁遠く、小田急線と東急各線が主な交通手段となります。しかし、電車の駅が近いところは恵まれている方で、深沢、岡本、宇奈根など、バスが主な交通手段になってしまうエリアも多く、鉄道空白地帯が多いことについては23区屈指の方でしょう。

 繁華街もこれといって目立ったものがなく、下北沢、三軒茶屋、二子玉川に分散してしまっています。また、区役所の場所も不便です。

 世田谷区は金持ちが多いから、クルマで出かけるから関係ない!とする意見もありますが、区内の主要道である玉川通りは交通量に比較して車線数が少なく、高速道路の橋脚のせいで右折レーンが取りにくいこともあり、渋滞が激しい路線です。区内を南北に移動するにも、環七や環八などの渋滞を避けられないので、ひと言でいえば「自動車交通用の道路も脆弱」です。

 それでも世田谷が人気なのは、江戸川区や足立区、
練馬区に住むよりよほどい良いと考えている人が多いからでしょう。23区の外周の区の中では、一に世田谷、そして杉並・大田区が続くのは当然かも知れません。

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