新宿駅と新宿三丁目駅は、文字通り、目と鼻の先です。そもそもJR新宿駅は、所在地が新宿区新宿三丁目であり、同じ丁目の中にあることから、いかに至近であるかが想像できると思います。

　ですから、たまたま定期の区間に含まれているのでない限り、新宿～新宿三丁目間を地下鉄丸の内線を利用するという人は滅多にいないでしょう。この両駅は地下でつながっていますが、実際、つながっているなどというレベルではありません。出口番号も共通していますし、同じ「メトロプロムナード」という地下道の地下２階にあります。

　JR新宿駅の東口から新宿三丁目駅までは、丸の内線ホームまでの距離で、約200ｍです。地上を歩いた場合、５分とかからない距離です。

　ではなぜそんな近いところに駅を 作ったのかと言えば、元もと甲州街道の内藤新宿は、新宿三丁目駅付近だったということです。新宿三丁目駅のあたりは、甲州街道と青梅街道が袂を分かつ「新宿追分」で、今でも交差点には、道路に解説票が設置されています。伊勢丹や末廣亭、かつての新宿東映（現・バルト９）と言った、新宿を代表する施設も新宿三丁目駅を最寄りとしており、京王電車の起点も、新宿三丁目駅のすぐ近くにありました。

　一方で、JR新宿駅のある場所は、新宿の街からすると外れだったのです。