政治家を見ていると、どうしてこうも無能なのかと思うときがありますね。顔つき一つ取ってもあまり利口そうではないですが、官僚にいいように振り回され、丸め込まれてしまい、言葉は悪いですが、どうしてここまでバカなのかとあきれてしまうことがあります。

　実はこれ、考えてみれば当然のことで、要するに、地方をどさまわりして、どぶ板選挙などとバカバカしいことは、普通の感性と神経では、ちょっと、とてもじゃないができないということです。頭が良ければ良いほど、このバカみたいな選挙活動は難しいでしょう。どこか回線が一つとんでいて、初めてやれるほど、地道な選挙活動は、活動そのものにおいて、あほらしいものです。

　もちろん、それも乗り越えて政治家になって達成するべき強い信念と忍耐があれば、可能ですが、残念ながら小数だと言うことです。頭のいい人は大抵、評論家になり、政治家になれるのはバカだけ……というのは、日本の選挙がもたらしている結果と言えます。

　これは何も政治家に限ったことではなく、 ○○になるための能力と、○○としての能力は、一致しないことが多いのです。障害物競走の最後にすごい数学の難問があって、その数学の問題に行き着くまでには火の輪をくぐって針の山を走らなければならない……だから、問題に辿り着いた人は解けないし、問題が解けるような人は問題に辿り着けない。これが、職業と能力の不一致の構図です。