富士山が10年以内に本当に噴火したら、政府の対応は?
富士山の噴火の可能性が、いよいよ高まってきています。はっきりいって、世界遺産に登録などしている場合ではありません。東日本大震災クラスの地震の後は、前例からいって2年以内に巨大火山が噴火するといわれていました。しかし今年に入って、3合目付近の林道が300メートルに渡って地割れ・陥没し、河口湖では水位が下がってしまい、普段は離れ小島になっている六角堂が、地続きになって岸から歩いて行かれるようになっているのです。
観測結果では、マグマがもともと山頂から10kmの深さにあったものが4kmまで上がってきているといいます。上がるスピードも加速度を増しています。これだけ噴火の前兆がある中、最も問題なのは、北側斜面5合目付近が2.5mも隆起しているというものでしょう。もはや、広義にいえば噴火は始まっている、と言っても良いのかも知れません。
専門家は、火山の噴火は突然起こるのではなく、ある程度事前に兆候があるので、避難するだけの時間があるから安全だと口をそろえます。しかし、果たしてこれが信用できるでしょうか? 政府は、東日本大震災のときに、あのSPEEDIの情報を隠し、福島の人をたくさん被曝させたのです。
富士山の噴火の場合には、避難すべきエリアも広く、人数もかなり多くなります。「もし避難勧告などを出して、噴火せずに終わったら誰が責任を取るんですか?」「パニックでけが人が出たら人災になりますが、総理は責任が取れるんですか?」……と、こんな考えで避難命令には及び腰になるに違いありません。
役人と為政者は、何よりもパニックを恐れるものなのです。
実際問題として、逃げ切れるかも不明です。富士急ハイランドにいる万単位の客や、
河口湖周辺の住民などが、一斉にクルマで逃げようとしたら、道路はパンクします。インターチェンジに入るだけでもすごい行列になるでしょう。だからといって、バスで避難できるだけの用意がされているのでしょうか。それに、バスだって、渋滞にはつかまります。想像しただけでもパニック必死ですね。
地震の時と同様に、噴火の際の避難も自家用車を禁止し、巡回バスで住民をピックアップしていくなどの方策を採り、日頃から訓練と周知を徹底しておかない限り、パニックと交通事故で死者が出かねません。渋滞で身動きが取れず立ち往生しているところに火砕流がおそうとなれば、まさに地獄絵図です。
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