三共製薬の栄養ドリンク剤「リゲイン」は、かつてバブル華やかりし頃、ビジネスマン向けに「２４時間戦えますか」と宣伝していましたね。とんでもないことです。

　まさに、バブル時代や、その前のモーレツ時代を思い起こさせるようなキャッチコピーです。現代ではどうでしょうか。２４時間働くだなんて労働基準法違反ですし、「ブラック企業」などの用語が定着した今となっては、かなりとんでもないキャッチコピーとも言えます。

　それだけでなく、価値観としても着いて行けないものがありますね。どちらかというと、５時に仕事を切り上げてプライベートな時間を楽しみたいというのが今の潮流ですし、人生とは本来そうあるべきものです。要するに、「２４時間戦えますか」と言われても、戦いたくないし、そんな暑苦しいキャッチを提示されても、あまり好感は持てないわけです。ましてや「ゆとり世代」には殆ど理解に苦しむレベルなのではないでしょうか。

　もっとも、リゲインを飲めば２４時間仕事ができるとか、 リゲインを飲んで２４時間起きてろと明確に言っているわけではなく、「２４時間戦えますか」と曖昧な言葉でぼかしているのは、コピーライターの強かさなのでしょう。