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鉄道の回数券といえば、10枚分の値段で11枚買えることが一般的で、10%弱割安ということになり、庶民にとっては有難い存在です。しかし、スイカ、イコカ、パスモといったICカードの普及で、回数券を使う機会は減ってしまいました。今でも回数券は売っていますが、ICカードに慣れきってしまった今となったは、紙の回数券を使うのは面倒くさいし、何といっても、回数券を持っているのにうっかりICカードで入場してしまい、回数券を使う機会を逃してしまいやすいのです。
ICカード側に、最初に10枚分の金額を払って11枚分の指定区間の乗車権利を電子的にチャージする機能があっても、良さそうなものです。
しかし、鉄道会社としては、それはやりたくないに違いありません。鉄道事業者から見れば、回数券をわざわざ割り引いて販売するメリットとは、次の2つです。
1)客が、期限内に使い切れずにムダにしてくれるかもしれない
2)客が、使い切る前に、紛失してしまうかもしれない
つまりは、なくしたり使い切れなかったりする確率が、10%より高いと見ているからこそ、回数券を販売するメリットがあるのです。客の側は、1)も2)も自らの注意で解決可能ですから、本当にメリットがある人は買えばいいのですが、実際には、回数券を買ってかえってソンしている人も多いのです。
しかし、回数券をICカードに入れられるようにすると、
鉄道会社にとって2)のメリットがほとんど無くなりますので、11回分を10枚の価格で売るのは割に合わなくなってくる可能性があります。
ICカード全盛時代には、回数券というお得な乗車券は、そぐわないのかも知れません。
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