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東北縦貫線の建設は不要

 
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 <この記事は6月26日にシステムトラブルで配信できていませんでした>

 東北縦貫線の建設が着々と進められています。この路線は、簡単に言えば、東海道線と、東北線・高崎線(一部、常磐線)を直通させる目的で作られているものです。今、新宿周りで「湘南新宿ライン」という形で、東北線・高崎線と横浜方面が直通運転されていますが、あれと似たようなことが、東京駅回りでも行われると考えればよいでしょう。

 この路線の不評な点の一つは、東北新幹線の高架線路の更に上に建設していることです。地元・神田の住民や商店街を中心に、景観や風通し、また防災の観点から非常に悪くなるということで反対運動が起きています。地震で崩れたら、電車や新幹線の利用者も周辺住民も大変なことになります。

 また、上野にとってはかなり厳しい事態となるでしょう。現在、上野駅が終着駅となっている東北線や高崎線は、ほぼ全路線が東京駅方面へ直通となる可能性があります。そうなりますと、上野駅での乗り換え客が減り、当然、買い物客も減るでしょう。東北新幹線の東京駅延伸や湘南新宿ラインの開業で打撃を受けていた上野地区としては、かなりの痛手です。

 東北線・高崎線は、現在上野駅からですと1本待てば、まず確実に座れます。東海道線も、1本待てば東京駅から座れます。これらの恩恵は、直通運転の開始と共になくなってしまいます。東海道線の利用者からすれば、こんな迷惑な話はありません。

 JR東日本が東北縦貫線の建設をしたいのは、表向きは
「上野→東京駅の山手線・京浜東北線の混雑緩和」となっています。しかし、実は直通運転によって車両運用を効率化して、田町の車両センターを不要にし、この広大な土地を再開発して儲けることにあるとされます。座れなくなる東海道線利用者も、景観が悪くなる神田の住民や商店主も、JRの金儲けのとばっちりをうける形なのです。

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