「なるほど事典」は、毎日早朝7時前から新着記事をリリース。通勤・通学のおともに、ぜひブックマークを!
デリバリー専門のピザ屋や寿司チェーンが全盛の今、もしかすると若い人たちは、従来型の「出前」を経験したことがないかもしれません。かつて、近所のおそば屋さんやラーメン屋が当たり前のように出前をしていた頃は、情報化も進んでおらず、システマティックではなかったので、注文したものが1時間経っても届かないなんていうことはザラでした。
そんな時、催促の電話をすると、電話の答えは決まって「今、出ました」なのです。忘れていたクセに、今から作るクセに、こたえはいつだって「今、配達に出たとこです」なのです。
まあ、これもお約束みたいなモノで、当時を知る人間からすれば語りぐさといったところでしょう。
この精神は、今でも飲食店の現場で受け継がれています。注文した料理がなかなか出てこないからと、店員を呼んで確認してもらうと、大体答えは「今作り始めたところです」と、全く悪びれがないのです。
ある日、同じようなシチュエーションで店員に確認してもらったところ、
「すみません、私のミスでオーダーが通っていませんでした」と素直に謝られたことがあります。何と正直なことか、何と素直なことか。しかし、本当はこれが当たり前なのだから、こんな風に謝られるのが新鮮に感じるほど、この業界はどうかしているのでしょう。
は編集部のオススメ記事です。