東京から名古屋そして大阪へ向かう際に、最も邪魔なのは、静岡県です。静岡県を超えるためにかかる時間が一番長く、東海道新幹線でも「のぞみ」では停車駅は一駅もないつまり、「ただ通過するだけの県」なのです。静岡県さえなければ、東京-名古屋はもっと近いのに……そう思えてきますね。 こんな存在でいたのは、静岡県にとっては大変不名誉なことです。通過せずに、寄っていってよ、と思うのは当然です。江戸時代であれば、静岡県内に宿泊せずに東京~名古屋を旅することは難しかったでしょう。 しかし、その不名誉も、とうとうリニア時代になって終わる日が来たようです。リニア中央新幹線では、山梨県・長野県を通るルートが決定していますので、静岡県はもう「邪魔」ですらなくなります。東海道新幹線にとっても、静岡県は「ただ通過する県」ではなく、むしろ、目的地のひとつとしての価値が高まってくるでしょう。 今後この不名誉な地位は、 山梨県が引き継ぐことになりそうです。ただ通過するためだけにある県。東京のとなりなのに、えらく山奥な県。本当は、そこがまた良いのですが、リニアで名古屋に急ぐ人にとっては、「山梨県さえなければもっと早いのに」と思えてくるかも知れません。