東京都の猪瀬直樹知事が医療グループ「徳洲会」から現金5000万円を「借りた」とされる問題で、激しい追究を受けています。収賄や汚職の可能性が極めて強いこの問題ですが、一方で、嘘くさいとはいえ借用書はあるし、お金も返したのに、どうして都議会がこれだけ紛糾して厳しい追及を受けているのか理解できない人もいるようです。 政治家は、誰だって、こういう違法な献金や収賄などの誘惑の中で生きています。殆どの政治家が、この喉から手が出るほど欲しいお金を我慢して手を出さずに、やってきているのです。 もし自分がそういう政治家の立場だったら、ちゃっかり5000万円ももらっておきながら都知事の座にいる人に対しては「ずるい」と感じるのではないでしょうか? そんなのがアリだったら、おれだってもっとお金もらってたし、そしたら選挙も楽だったかも知れないと考えるのが自然です。 ですから、この「ずるい」とか「不公平だ」という感情でもって、都民や都政とは別の力学で、この知事は絶対に引きずり下ろさねばならないという空気になるのです。 テストでカンニングをして、学年で1位になった人を、 「ずるい」「取消だ」と思うのは当然ですね。それと同じことです。たとえ、そのカンニングをしなくても十分1位だったとしても、同じことです。