消えた芸人というよりも、伸び悩んでいると言った方が正解でしょうか。「冷やし中華始めました」のネタでR-1グランプリで準優勝を果たしたものの、その後が続かず鳴かず飛ばずの状況が続いているようにも思えます。 彼の、一瞬名曲かと思わせる歌い出しと熱唱ぶり、そして「冷やし中華始めました」に落とすところは、お笑いとしてはかなり完成されていて、見応えのあるものです。しかし、それが故に、一度見てしまえばそれで終わりという面を持っています。 映画に例えれば、シリーズ物ではなく、単に同じ映画を何度も見ているかのような状態になってしまうわけです。他の歌も「この売り場から1等が出ました」などいくつかありますが、笑いの肝の部分はほぼ同じです。 ムーディー勝山の失敗でも明らかなように、歌ものはここが大変難しいですね。新しい歌を次々に考えていくなんていうのは、恋愛ソングと違って容易ではありません。 歌ものは、同じ節に載せていろいろなネタを歌える、 牧伸二の「ウクレレ漫談」や堺すすむの「なんでかフラメンコ」のようなものが、息長く愛されるには良いのでしょう。