次のような言葉遣いは、間違いだという「説」があります。

　　　「申し訳ありません」
　　　「申し訳ございません」

　この指摘は、「申し訳ない」というのは「もったいない」「つまらない」と同様に、「申し訳ない」で一つの単語だというものです。「つまりません」と言わないのと同様に「申し訳ありません」とは言わない、誤用だ、ということなのです。

　本当でしょうか？

　「申し訳が立たない」という 言い回しがありますから、「申し訳」のところで一つの単語だ、という主張は正当でしょう。ですが、それなら、「申し訳がない」「申し訳がありません」と言うべきであり、「が」を省略してしまうなら、「申し訳ない」で一つの単語だ、としないと文法的な説明がつきません。

　ですから、本当かといえば、本当です。

　でも、相手に謝るときに「申し訳ない」では、なんか偉そうで、まずくないですか？　そう思うから、「申し訳ございません」なんていう変梃な言い方が出てしまうのでしょう。

　「申し訳ありません」「申し訳ございません」は、次のように言い換えて下さい。これで、スッキリしますね。

　「申し訳ないことをしました」
　あるいは、より丁寧に、「申し訳ないことを致しました」