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M1グランプリやTHE MANZAIなどの漫才系のお笑い番組を見ていると、しゃべり方が大変早口で、聴き取りにくいことに気づきます。面白くないとは言いませんが、それ以前に聴き取るのが精一杯で、とても疲れるのです。見た後の感想と言えば、「面白かった」というよりも「疲れた」という疲労感の方が強くなってしまいます。
それというのも、早口だけが原因なのではありません。彼らの芸風は、「何とかして腕づくでも笑わせてやろう」という執念を感じます。
しかし、それはお笑いの真骨頂ではありません。お笑いとは、無理に笑わすことではなく、こらえきれずに笑ってしまうようにこそし向けるべきなのです。
例えて言うならば、早口でがなり立てる漫才を聞いていると、まるで、観客を笑うまで棍棒で殴り続けているように見えます。そうではないのです。叩くのではなく、くすぐるようにやりなさい。そうすれば、そんなに一生懸命にやらなくても、観客は自然に笑うよ、と。それが、お笑いの教えというものです。
こう考えると、思い出されるのは、イソップ童話の「北風と太陽」です。北風は、
旅人のマントを脱がすことはできなかった。力づくでがなりたてる早口漫才では、観客の心のマントを脱がせて、自然と笑わせることはできないでしょう。
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