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(4)東急の布陣の謎 [新線計画によるターミナル駅の明暗]

 
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(初出 1992年)

 ここで、東急線とその関連の新線計画を見てみましょう。まず、東横線の横浜-桜木町間は廃線となり、東横線は横浜から地下へもぐって市営地下鉄へ乗り入れとなります。そして、上り線は田園調布で分岐となり渋谷方面行と目黒方面行に分かれます。田園調布-目黒間は現在の目蒲線に乗り入れとなります。目黒へ行った東横線はさらに地下鉄7号線に直通運転となります。この7号線には三田から都営三田線も目黒へ乗り入れることになっています。ちなみに、目蒲線の蒲田-田園調布間は折り返し運転になるようです。一方で、渋谷方面に行ったほうの東横線は地下鉄13号線に乗り入れて池袋方面へ向かうことになっています。これらの計画で、東横線は現在とかなり様相が変わってくるでしょう。

 ところで、この計画通りにいくと東横線沿線の客の半分近くは渋谷から目黒へと流れてしまうことになります。周知の通り渋谷は東急の城下町といわれ、デパート2店、専門店街ビル(109の類)6店をはじめかなりの施設をもっています。ということは、渋谷の人が減ればそれだけ東急グループの収益が減るということです。(鉄道部門の売上げに比べ百貨店部門の売上はケタ違いに多いものです)

 それなら目黒に東急が何かもっているかというと、ないのです。
もしグループ全体の収益という観点からいえば戦略的に間違っているとしか思えないのです。それとも東急とはそんなせこい組織ではなく、沿線住民の足の利便性を第一に考えての路線網改革なのでしょうか。

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