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切り離された東急多摩川線の悲哀

 
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 東急電鉄は、そのルーツを目黒蒲田電気鉄道に持ち、最も古い路線は東横線ではなく、目蒲線です。「めかません」と読むこの電車は、目黒と蒲田を結ぶ路線で、つい最近まで走っていました。

 しかし、その「目蒲線」の名称は、もはや、存在しないのです。目蒲線のうち、目黒~多摩川駅間はそのまま東横線に直通し、日吉方面へ乗り入れることとなりました。東横線側から見た場合、渋谷だけでなく、目黒方面へも出られることになり利便性は向上しました。

 しかし、切り離された、元目蒲線の多摩川~蒲田間は、「多摩川線」という名称の、短い区間の折り返し運転とされ、車両編成も一両減らされてしまいました。

 鵜の木、下丸子などの沿線の駅からは、山手線ターミナルへ乗り換えなしでは出られなくなってしまったのです。なんとも、残念な話です。

 このような仕打ちを、よく沿線住民が甘受したなと思いますが、この区間には下丸子にキヤノンの本社もありますから、本当に良くもめなかったものと感心しますね。

 最も、目黒駅自体が山手線であるとはいえ、あまり便利な駅ではないので、
この区間の住民はもっぱら蒲田をターミナルとして利用していたという声もあります。しかし、多摩川線が切り離されると同時に、目黒駅は東京メトロ南北線と都営三田線が乗り入れるターミナルに昇格しましたから、今となっては目黒直通は有難い話だったのではないかと思われます。

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