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自業自得の寿司業界、回転寿司と宅配チェーンにやられ……

 
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 寿司というと高級品と思い浮かべるのは、今は昔。寿司といえば、近年では、「スシロー」や「くら寿司」のような回転寿司か「柿家鮨」「銀のさら」などの宅配チェーン、それか「ちよだ鮨」「小僧寿司」などの持ち帰りというのが定番になってきました。

 一方で、昔ながらに「上にぎり」「松」などの握りセットや、カウンター越しにお好みで寿司を握る業態、また、そういった商店街の寿司屋が出前するという形態は、廃れつつあり、街の個人経営の寿司屋は、経営が成り立たなくなりつつあるようです。
 そもそも江戸前寿司のルーツは、江戸時代にファーストフードのように庶民が気軽に食べられるようにというものだったそうですから、「元に戻った」とも言えます。回転寿司は、他ならぬファーストフードといって良いでしょう。

 寿司なんて、しゃりを握って魚をのせるだけですから、本来は料理とも言えないくらい簡単な料理です。しかし、そこに高慢な職人文化を持ち込み、「1人前にしゃりを握るには10年かかる」などといい、客には「時価」を理由に値段を明示せず、またカウンター越しに板前と客の上下関係が通常と逆転している(板前の方が威張っている)というような傲慢な経営をしてきたわけです。

 ですが、もともとほとんど技術もいらない料理のため、アルバイトでも簡単に作れてしまいます。ネタも、「サク」の状態まで工場で加工されてから届けば、魚をおろす技術さえ必要ありません。それに、ネタの仕入れも大量買い付けによるコストダウンを考えると、個人経営の店が築地で少量を仕入れても、太刀打ちできるはずがありません。

 これらは、旧来の寿司屋がみな、高級を装って暴利をむさぼり、高慢な経営をしていた
ことを考えれば、自業自得でしょう。高級な寿司を求めているのは、消費者のほんの一握りで、それ以外は安くて美味しい寿司を、職人に威張られずに堂々と食べたいのです。

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