不妊というものは残酷なもので、年齢的な要素が大きいのである時点ではあきらめざるを得なくなります。その段階で、「自分は一生、子供をもてない」という事が確定するのです。 その後の人生にも、楽しいこと、嬉しいことはいろいろあるかも知れません。ですが、もう心の底から笑うと言うことはなくなります。本当に気分が晴れる日というのは、一生やってこないのです。 世の中には、街を歩けば子供や赤ん坊がいますし、周囲の友人知人は残酷にも平気で子供の話をし、また老後は孫の自慢話をします。禿げてる人の前で「自分は禿げなくて良かった」という話をする人はいませんが、子なしの人の前で平気で孫自慢をする人は実に多いのです。 不妊で子供をあきらめた人にとって、この世ははっきりいって、「針のむしろ」です。 心が晴れるどころか、サンドバッグのように一生傷つきながら生きていくことになります。何が切ないと言って、これほど切ないことはないかもしれません。