
体外受精の成功確率は、最初の1回目が高いという当たり前の事実があります。簡単に妊娠する人は、1回目・2回目など早い段階で妊娠して抜けていきます。そして、最終的に妊娠できない人だけが、5回・10回と繰り返すのです。ですから、1回目の体外受精が最も妊娠率が高いというのは、当然の理屈です。
しかしこれは、当たり前にして残酷な事実でもあります。1回目の体外受精で妊娠できなければ、「妊娠できない度合い」が高まったと言えます。2回目でも妊娠できなければ、また「妊娠できない」ことの確からしさが一層高まるのだと考えられるからです。
予算や年齢の都合から、最初から「○回までトライして妊娠しなければあきらめる」などと決めている人も多いと思います。しかし、例えば5回と決めていたとしても、 最初の体外受精で妊娠しなければ、それは5分の1を消費して、残りが5分の4なのではありません。1回目の意義はもっと思いものだと捉える必要があるでしょう。