いつしか「クレーマー」という用語が一般人にも定着し、自分が「クレーマー」扱いされることを過度に恐れる人が増えているといいます。また、そういう人は、自分の連れ合いが店に苦情を申し入れることに対しても「クレーマーみたいだからやめろ」とたしなめる傾向があります。 しかし、「クレーマー」というのは、ささいなことで執拗に苦情を言うような人のことです。正当な苦情を常識的な方法で申し入れるのは、クレーマーでも何でもありません。 例えば、レストランで出された料理に髪の毛が入っていた場合はどうでしょうか。これは、当然、クレームを言うべきことです。飲食店には当たり前とも言える衛生管理ができていないのですから、店は謝罪するのが当然です。 ここで、クレーマー扱いを恐れる人は、「自分の髪の毛が入った かもしれないのにインネンをつけていると思われたらやだ」などといって躊躇するのです。これはもう、自意識過剰も甚だしく、そんなことを気にしていたら、クレームなど言えるはずもありません。 正しいクレームを正しい方法で言い、妥当な範囲の謝罪や対応を要求するというのはとても大切なことで、これを逸脱した場合に初めて、恥ずかしい行為になるのです。