かつて、原宿に「パレフランス」という目立つビルがあり、その晩年に１階のテナントとして「オーバカナル」というカフェがありました。知る人ぞ知る存在で、来店客の実に高い割合が、外国人で、ペット連れの客も多く、店が良いだけでなく、店の存在自体が原宿の雰囲気を高めていました。

　パレフランスの解体に伴い、店はなくなりましたが、スタッフはいまでも、ホテル・ニューオータニにある、オーバカナル紀尾井町店に引き継がれ、当時の味と雰囲気とそのままに営業しています。人気お笑いコンビ・ロッチの中岡を思わせるような、元気なスタッフがたくさん頑張っています。

　この オーバカナル（AUX BACCHANALES）という店こそ、良質のフランス料理を、カジュアルに安価に楽しめる店で、雰囲気もパリのそれにかなり近い、優れた店なのです。しかし、赤坂アークヒルズ、銀座のコリドー街など、限られた立地にしか出店していなく、日本人にいかに、パリのカフェ文化が浸透していないかが、見て取れますね。