東横線といえば、人気私鉄の代表格で、沿線住宅地も評判が良く、正に日本を代表する私鉄路線の一つと言えます。ところで、東横線の名称は、東京と横浜を結ぶという意味で「東京横浜線」が正式名称で、略称が「東横線」なのでしょうか？

　そんなことはありません。「東横線」は正式名称です。しかし、そのルーツは、東急の前身のひとつである、東京横浜電鉄にあります。そして、路線名である「東横線」のブランドは、渋谷駅ビルに開業したデパートである「東横百貨店」にも受け継がれています。東横百貨店は、その後「東急百貨店東横店」として21世紀まで営業を続けます。

　「東横線」のブランド名は、あの新興ビジネスホテルチェーン「東横イン」 にも使われています。こちらは東横線や東急グループとは何の関係もなく、いわば利用者の誤認を期待してつけた名称なわけですが、「東横」ブランドが信頼と人気に支えられていることの証の一つととらえることもできます。一方で、東横インが度重なる不祥事を起こしているせいで、東急電鉄の東横ブランドにも傷が付いているとの指摘もあり、とんだとばっちりだと見ることもできます。