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「固定3年」短期固定はリスクを増やす<住宅ローン金利の逆説>

 
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 先日、大手銀行3行がそろって、住宅ローンの3年固定金利を最優遇で「0.6%」にしたことが話題になりました。変動金利よりも低いこの水準は、借り手にとっては嬉しい話のようですが、注意する必要があります。

 短期の固定金利というのは、金利上昇リスクを抑えるどころか、実は金利上昇リスクを増やすことにつながるのです。逆説的ですが、少し考えれば分かります。

 固定金利というのは、固定期間が終了するまで、変動金利にしたり固定期間を変更することはできません。つまり、「金利が下がっても、高い金利を払い続けなければならない」という性質があります。このことは、住宅ローンを検討している人なら当然、知っていることです。

 では、金利が上昇したときはどうでしょうか。金利上昇局面でも、固定していればそれと無関係に固定したときの金利を払っていれば良いので、リスクが低いように感じるかも知れません。しかし、最初に3年間固定したなら、その3年間は金利がぐんぐん上がっていても指をくわえて見ているしかありません。「金利が上がっているから、10年固定に切り替えようかな」ということはできないのです。

 そして、当初固定した期間が過ぎたときには、とんでもない金利になっているかも知れません。最初から変動にしておけば、上がり始めたタイミングで固定10年に変更することもできますが、短い期間で中途半端に固定してしまうと、かえって身動きが取れなくなるのです。

 従って、固定金利でローンを借りるときには、次のような計画で考えて下さい。

金利固定期間が終了する時点で、残債全てを一括返済できる貯金が貯まっている計画になっていること

 固定期間が満了したときに、金利は8%になっているかも知れないのです。ですから、選択肢は、「変動にする」「全期間固定にする」「当初固定にして、その間に残債に見合う貯金をする」の3通りからプランを選択しましょう。

 ちなみに、固定金利で借りた後に、どうしても金利プランを変更したい場合は、
他の銀行のローンに「借り換え」をすることで対応が可能です。借り換えについては、銀行によっては、「借入後○年がたっていること」という条件がある場合もあるので、注意して下さい。

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