人気お笑いピン芸人のスギちゃんが、人気絶頂の中、バカ番組の撮影で全治３ヶ月の重傷を負って活動を休止せざるを得なくなった事件は、私たちを驚かせました。なにせ、本当に人気絶頂の中で起きた事故により、出演キャンセルなどによる損害は億の単位に達するとまでささやかれています。

　一方のスギちゃんは、普段からにじみ出ている人の良さの通り、事故の後も関係者を責めたり恨んだりせず、ブログを発信してファンや周囲に気遣う様子を見せており、ますます好感度を上げていると言えるでしょう。

　さて今回の事件にいろいろな論評がありますが、一つだけ、決定的な誤りがあります。それは、「人気絶頂の中」とありますが、もはやスギちゃんは旬のピークを超えていたということです。人気のピークと仕事やギャラのピークは重なりませんので、忙しさはまた別でしょうが、世間の関心は色あせつつありました。ですから、こと世間の注目度という意味では、重傷のデメリットは別にして、注目を再び集めることができたの見方も可能です。

　もう一つ、誤りがあります。それは、「スギちゃん」が一発屋芸人で今年か来年で消える、ということを前提にした論調です。一発屋芸人かどうかは、数年先になって初めて分かることです。スギちゃんは、おそらく、テレビの画面に現れなくなる日は、そんなにすぐには来ません。小島よしお、ダンディ坂野など一発屋の名前を欲しいままにしていたサンミュージックの面々は、今でもテレビに出ています。スギちゃんは、完全にテレビ界から消えきらないだけの実績と人気をすでにものにしています。

　最後にもう一つ、病床についているスギちゃんは、 高い確率でこの記事を目にするでしょう。世間は基本的にスギちゃんの味方で、今回の３～６ヶ月のブランクは、スギちゃんのキャリアで決してマイナスにはなりません。テレビ等を通してみる限り、スギちゃんほど周囲に愛されている人は珍しく、そういう意味で幸せな人です。まずはゆっくり静養して下さい。