マンションなどの不動産の価値は立地に大きく左右されるというのは半ば常識です。それも、最寄り駅がどの鉄道路線にあるかはとても重要で、首都圏であれば東横線は高く、京成線は低いなどというのは、大体知られた事実でしょう。 では、どのような路線を選択するべきなのでしょうか? その鉄道路線が、どこへつながっているのか、行く先に大きい都市があるのが断然有利だということを唱えている人がいるようです。記事によれば、東海道線は最強で、横浜があるし、さらには京都・大阪などの大都市につながるから、首都圏でも東海道線沿線が最強であるなどという噴飯ものの記載がありました。 それに比較すると中央線(東京)が、行く先がせいぜい立川・八王子で、その先は山梨の山岳地帯なので、ダメなのだそうです。吉祥寺の人気と反映を支えているのは、背景にある立川・八王子が今のところ衰えていないからで、将来はどうなるか分からないと結論づけています。田園都市線も終点が中央林間だからダメだそうですよ。 当たり前ですが、東海道線に乗って東京から京都や大阪に行く人は普通はいないので、このような考え方はナンセンスですね。 沿線の価値というのは、終着駅で決まるものではありません。沿線文化というのは、 そこに住む人によって醸成されるもので、住宅地としての善し悪しは、区画と都市計画、そして住民の所得や文化レベルなどが大きく左右します。 交通の便だけでしか沿線価値を見ることができない人は、必ずや不動産で手痛い失敗をすることになるに違いありません。