タモリがミュージカルを嫌いなのは有名な話です。もはや、ミュージカル嫌いをネタにしている感もありますが、しかし、嫌いなのは事実でしょう。なぜでしょうか？

　真相はタモリ本人の口から語られるべきですが、一般にミュージカルが嫌いだとする人々の主張は、だいたいパターンが決まっています。

　まず単純に、退屈だということでしょう。セリフを歌うものだから間延びしてしまう。ミュージカルは歌を楽しむ物なので仕方がないのですが、歌が好きでない人にとっては退屈なのは当たり前です。「歌が好き」とは、有名な歌や、はやりの歌でなく、初めて聞く歌でも好きと思えるぐらいに好きでなくてはならないのです。

　歌が好きでなければ、ミュージカルなど苦痛なのは仕方がありません。それに、セリフを歌で歌ったり、話の途中で突然歌い出すなど、どう考えても不自然で滑稽です。

　こうやられてしまうと、退屈でストーリーが追えなくなってしまい、 分からなくなるから余計に退屈になるという悪循環に陥ります。また、普段から歌の「歌詞を聴く」ということに慣れていない人は、曲として聞き流してしまい、その中にストーリー上の重要なセリフが含まれていても、聞き逃してしまうのです。