麻布十番と言えば、東京都港区の高級住宅街を思い浮かべるかも知れませんが、実態は川沿いの港区の下町です。

　当地は長らく鉄道空白地帯で、渋谷からバスなどの不便を強いられていましたが、近年、南北線と大江戸線という二つの地下鉄が開通し、乗換駅にまで昇格しました。しかし、南北線は東京メトロの路線の中では最も利用価値が低いですし、大江戸線も駅が深く、最も利用する新宿駅は深い上に位置も外れで、不便なことこの上ありません。

　標高が低いこの地は、巨大津波やゲリラ豪雨の際の浸水が懸念されます。また、首都高速道路一の橋ジャンクションが街の真ん中にあり、排ガスをまき散らしています。環状三号線も開通し、六本木ヒルズへのアクセス道路にもなっていますので、クルマは多いエリアです。

　また、昔ながらの麻布十番の商店街は、下町的な結束を色濃く残しており、 祭などの際にも、新参者には煩わしさがあるかも知れません。

　「多少不便なぐらいが良い」「昔の雰囲気、排他的な人の結束が好き」などという、こだわりがあるなら、麻布十番はなかなか得がたい土地かも知れませんね。