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「そばの香りを楽しむ」、“通”ぶった戯れ言を斬る

 
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 そば屋で冷たいそばを食べるときに、最初はつゆをつけなかったり、ほんの少ししかつけずに、「そばの香りを楽しみたいから」とか「このそばは良い香りがする」などと言う人をたまに見かけます。

 この人たちは、本当に、そばのニオイが分かるのでしょうか?

 そばは、あまり香りのない食べ物です。もちろん、犬のような感度のすぐれた嗅覚を持っていれば別ですが、普通の人間なら、あまりそれと分かるほどのニオイは致しません。もしそれほど敏感だと、逆に、人の口臭やオナラなどの悪臭を強烈に感じ取ってしまい、日常生活に差し障るでしょう。

 では、彼らはウソをついているのでしょうか? 特段そういうわけではなさそうです。
まるで香りがするかのような素晴らしいそばだと、そう表現するのを省略しているのです。挽きたてのそば粉からは、まるでニオイがしてくるような気がしますね。そういう新鮮なそばを味わえて幸せだと、表現するには、香りは大切です。

 しかし、つゆをつけないと味がしないので、そのまま食べるのはあまりお勧めできません。

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