「日々直」の愛称で親しまれてきた、東横線・日比谷線直通電車が、東横線と副都心線の直通運転開始を機に、廃止されました。これによって、菊名(かつては日吉)から座って、眠ったまま霞ヶ関や銀座まで通勤していた乗客が、一旦、寒空の中目黒駅ホームに降り立って並び、乗り換えることを余儀なくされてしまいました。長年、「日々直」を利用してきた乗客は、「直通運転があったら東横線沿線に住んだのに」と肩を落とします。 副都心線と直通するからといって、何も日比谷線直通をやめることはないではないか、と思うかも知れません。1路線が同方向で2路線以上と直通するのは、東武伊勢崎線が北千住より日比谷線、曳舟より半蔵門線と直通するなどの例があります。 なぜ日比谷線との直通運転をやめなくてはならないのでしょうか? 日比谷線は急カーブが多いため、車両が一般的な通勤路線よりもやや短めの18mで、ドアも3つしかありません。東横線も東武線も、日比谷線と直通するために専用の車両を作ったと言います。 ところが昔はこれで良かったのですが、近年はホームドアの設置圧力が高まり、 いずれは東横線でもホームドアを設置することになるでしょう。そのときに、日比谷線直通電車の存在は、渋谷方面行き電車とドアの位置がずれてしまい、都合が悪いのです。 ですから、日々直の廃止は、ホームドア設置の布石と考えることができます。そう遠くない日に、東横線にもホームドアが設置される運びとなるのではないでしょうか。