飯田橋という地名は、全国的にはそれほど知られたものではないでしょう。ＪＲの路線網で言えば、中央線が通るだけで、それも快速線にはホームが設けられていない、単なる１面２線の田舎駅に過ぎません。

　しかし、この飯田橋には、次々に地下鉄が開業し、決して侮れない存在になってきました。最初に開通したのは東西線ですが、有楽町線・南北線・大江戸線と開通し、現在ではＪＲ１路線・地下鉄４路線が集積する一大結節点となったのです。

　ところが、飯田橋駅は乗り換えに便利とは言いがたいのが実状です。地下鉄のホームは外堀を挟んで別れており、改札外乗り換えが必要なケースもあります。ＪＲ中央線は各駅停車しか停まらないので、もともと利便性の良い駅ではありません。

　それに加えて、地下鉄４路線が通ると言っても、東京の中で利便性の良くない方の路線ばかりです。この４路線のどれを使っても、銀座駅や渋谷駅に行くことはできません。

　飯田橋は、道路交通から見ると、元もと、結節点でした。 外堀通りと目白通りが交差するだけでなく、大久保通りの起点となっているほか、早稲田通りも通っています。特に、巨大な五叉路を首都高速がかすめる飯田橋交差点の光景は圧巻です。