楽しく読めて役に立つ、オール書き下ろし記事でお送りする新しい事典
「なるほど事典」は、毎日早朝7時前から新着記事をリリース。通勤・通学のおともに、ぜひブックマークを!
>> 人気の埼京線沿線にマンションを買う、探す際の注意点
>> 告白を断ったら逆上・逆ギレされた

消費税率8%による値上げ幅は、3%でも、105分の3でもなく、4%が正解!?

 
スポンサーリンク
 2014年4月に、ついに消費税率が5%から8%に改められました。これにより、純粋に消費税率改訂分を商品価格に転嫁すると、今まで税込1,050円だったものは1,080円になるわけです。3%の上昇ではないことは、容易に分かるでしょう。100から103になるのではなく、105から108になる(税率5%から3ポイントの上昇)ですから、(108÷105)-1で、2.86%ぐらいの上昇になるのだろうと考える人が多いと思います。ですから、税込10,000円だったものは、10,286円に値上げするのがちょうど良いだろう、と。

 ところが、良く考えると、実はこれではすまないのです。

 なぜならば、どんな商品やサービスにも、製造や販売に人件費がかかっているからです。労働者の生活費も消費増税によって増えてしまいますから、これまで月給20万円でギリギリの生活していた人は、20万円では生活できなくなります。よって、給料も20万円よりアップせねばならず、人件費も増えるのです。

 給料がどのくらい増えねばならないかというと、物価の上昇と同じぐらい増えないと困るわけですから、この上昇率を、ここでは未知数の「χ」と仮定しましょう。

 また、全産業で、価格の中に占める最終的な人件費の割合がどのぐらいかは統計を調査する必要がありますが、ここでは仮に「p」と表しましょう。

 すると、純粋に消費税増税分に消える分が、これまでの物価の105分の3です。それに加えて、人件費の上昇による上乗せが、χ×pです。これを数式にするならば、
物価上昇率=3/105+人件費上昇率×p
 となりますね。ところで、先ほど、物価上昇率と同じだけ生活費が上昇して、人件費も上がると仮定したので、前述のように「物価上昇率=人件費上昇率=χ」になりますから、次のように書き換えられます。
χ=3/105+pχ
 この方程式の解は、
χ=3÷(105×(1-p))
 となります。pの数値をいくつに設定すれば良いのかは難しいですが、例えば飲食業は、3割原価、3割家賃、3割人件費で1割が粗利益と言われますので、それを参考にp=0.3と考えてみましょう。すると、
χ=0.0408となります。つまり、物価も給料も約4.08%上がることで均衡することとなります。

 この例で言っても、実際には「原価」の食材費の中にも人件費がありますし(農家の収入や、輸送に関わる運転手の賃金など)、「家賃」も大家やビル管理業者の人件費が含まれますから、0.3よりは多いことは確実でしょう。そう考えると、均衡できる値上げ幅は4%どころではすまなく、5%も10%もあり得ます。

スポンサーリンク
は編集部のオススメ記事です。