人間よりクルマが大切 昭和通りに分断された上野駅周辺
東京・上野駅は言わずとしれた交通の要衝で、東北本線・高崎線・常磐線の運行上の起点駅となっており、私鉄の京成電鉄もターミナルをおくなどして発展しています。鉄道だけでなく、中央通りと昭和通りという2つの幹線道路が駅前で交差しており、道路交通上も主要な地点となっています。
しかし、この昭和通りを優先するあまり、駅付近に昭和通りを横断する横断歩道が設置されていません。歩道橋を利用するか、地下鉄上野駅の通路を利用する必要があります。このため、街は昭和通りで分断され、駅から数十メートルしか離れていない上野駅東側の地区はあまり栄えていなく、さみしいエリアとなっています。さらに昭和通りの上に覆い被さる首都高速1号上野線が空の明るさを遮り、陰気くささが抜けません。
歩道橋は、ペデストリアンデッキとも呼べる立派なもので、エスカレーターも設置されている箇所があり、そこそこ立派なものではあります。通行量に比べると、立派すぎるとの見方もできます。地下通路については、改札外でしか乗り換えできない銀座線・日比谷線の連絡通路を利用する形になりますが、上野駅側はスロープも完備されていて、キャスターバッグを引きずっての移動も可能です。
これだけ整備されていてもなお、横断歩道での移動に比べると各段に劣るというのは、東上野エリアのさびれ方が物語っているとおりです。
山の手の渋谷駅周辺も、国道246号を優先するあまり横断歩道を設けず、
首都高速が覆い被さって暗がりとなっています。渋谷駅周辺は南方向が突出してさびれているのも、道路による分断効果といって良いでしょう。
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