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「明日は私服で来ていいよ」
「私服で行く?」
こんな言い方をされることがありますが、「私服」というのは実は、少々紛らわしい言葉です。不思議と、「私服」を「スーツ以外の服」と考えてしまう傾向がありますが、良く考えるとこれは変ですね。
「私服」は、本来、制服以外の服を指す言葉のはずです。ですから、普段制服を着ている学生が「明日の遠足は私服で来ていいよ」と言われれば、制服以外で参加しますし、普段制服を着用している職種の人にとっても、「私服」と言われれば制服でない服を思い浮かべるでしょう。こういった人たちにとっては、スーツも、私服といえば私服です。
一方で、普段からスーツ着用で仕事をしている人たちは、スーツが実質的に制服に近い役割をしているので、「スーツ ⇔ 私服」という考え方をしてしまいがちです。この人たちも決してスーツを着たいわけではなくて、実質的に強制されてスーツを着ているだけで、できれば着たくないし、仕事以外ではまず着ないに違いないのです。
しかし、もともと普段から制服でない人たちに対して、「私服」という言葉はナンセンスです。これは、言葉遣いが間違っていると言っても過言ではありません。
では、こういうときには、何という表現を使ったら適切なのでしょうか?
その答えの1つは、
「普段着」です。普通、スーツのことは普段着とは言いませんので、正しく伝わりますね。一方で、「スーツ以外」と表現すると、スーツ以外なら何でも構わないのかとパジャマで来るバカがいるかもしれません。
私服とは、必ずしもカジュアルな服装を指すのではない。……ということを、肝に銘じて、会話にのぞみたいですね。
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