温泉というのは、無目的に行ける旅行としては、恰好のものです。「テニスをしよう」「ハイキングをしよう」「○○寺を見よう」などのこれと言った目的がなくても、温泉そのものを目的に据えられるので、共通の趣味を有しない仲間で行くには、もってこいなのです。

　しかし、若年層を中心に、温泉に行きたくないという風潮が高まっているようです。

　人前で裸になり、さらけ出さなくてはいけないことに抵抗を感じる若者も多く、また、プールと違って、素っ裸になりますから、ある程度の経験と免疫がないと恥ずかしいと感じるのかも知れません。温泉を経験したことがない若者では、「水着を来ていいのか」「タオルをまいて入るのか」と本気で勘違いしていることもあるようですが、温泉とは何もまとわずに入るのが普通で、混浴でさえも本来はそうです。

　さて、温泉の断り方ですが、「別に、お風呂好きじゃないし」というのでは、何だか不潔な印象を与えてしまいます。「私、肌が弱いから、温泉に入るとかぶれちゃうんだよね」というのは口実としては良くできています。

　もっとも、温泉なんて、お酒もお風呂も特段好きでなければ、 わざわざお金をかけて行くほどのものでないとも言えます。スキーやゴルフを断るのと同じように考えて、「僕、スキーやらないので」というノリで、「僕、温泉とか入らないので」でもいいかもしれません。