近隣、特に隣の家のエアコンの室外機が、こちらの敷地に向いていて、音もうるさく騒音・振動・熱風が不快で迷惑している、という相談が数多く寄せられています。特に、一戸建ての家に隣接する集合住宅が、大量のエアコン室外機をこちらに向けて設置している場合などがあり、状況によっては実に気の毒な場合も多いのです。

　では、法律などをたてにとって、正当な権利としてエアコン室外機の撤去や移設を求めることは出来るのでしょうか？　これが、非常に難しいのが現実です。多くの場合、「お互い様」ということで納得するわけですが、そうも行かない場合もあり、特に機種が古かったりして騒音というよりは異音を放っている様なケースもあります。

　基本的には騒音トラブルとして解決することとなり、刑法上はよほどの騒音・振動で健康に異常をきたしたり、自分の家屋に損傷が起きれば、因果関係を証明すれば傷害罪や器物損壊罪が適用できる可能性がありますが、エアコン室外機程度の騒音・振動ではまず無理でしょう。

　したがって、まずは 角が立たないように直接いい、次に、警察や役所に相談して間接的にそれとなく、苦情を伝えてもらうようにします。ただし、警察や役所の本来の仕事ではないので、必ず一肌脱いでくれるとは思わず、あくまで低姿勢でお願いします。そして、最終手段は、裁判所の「調停」などの手続きの利用も考えられるでしょう。

　ちなみに、振動音に関しては、専用の防振ゴムを設置することで、振動や共鳴音などがだいぶ抑えられますので、これの設置をお願いするのも一案です。