かつては東京随一の超高層ビル街として憧れの的で、様々な撮影にも使われた西新宿の高層ビル街。しかし、超高層ビルが珍しくなくなった今、西新宿のビル群は老朽化が進み、「古い高層ビルの展示会場」のようになってしまいました。

　そして、富士重工が新宿西口駅前から去って行ったように、一流企業は新宿からどんどん去っています。現在、西新宿の一帯に本社を構える有名大企業と言ったら、損保ジャパン、住友不動産、野村不動産、日本マクドナルドぐらいでしょう。

　一方で、丸ノ内・大手町への大企業の集積はますます進み、品川地区にも、ソニー、三菱重工、大林組、ゼンショーなどたくさんの企業が集積しています。

　実際のところ、新宿の展望は明るくありません。リニア中央新幹線も品川に逃げてしまいましたし、上越新幹線の新宿延伸も、着工の気配はありません。頼みは南口にできる高速バスターミナルですが、東京駅八重洲口にも大規模なバスターミナルが計画されていて、再開発の波からも完全に「置いて行かれている」状況なのです。

　西口の老朽化した高層ビルが、同規模のビルの建て替えになるか、 それとも低層ビルやマンション・更地になるか。解体１棟目の跡地利用がどのようになるかは、注目に値しますね。