中央本線は現在では、東京～高尾と高尾以西では運転系統が分断されていて、新宿からは中距離電車の発着はありません（特急を除く）。しかし、本数は少ないですが、大月までは直通の快速が設定されていて、住民の貴重な通勤の足となっています。

　そのなかで、高尾から４つめ、四方津（山梨県上野原市）には、「コモアしおつ」というベッドタウンが分譲されています。積水ハウスにより現在でも分譲が続けられているこのニュータウンの特徴は、なんといっても、中央本線四方津駅から、専用の斜行エレベーターでニュータウンまで行かれるようになっているところです。エレベーターとは言っても、見た目は無人のケーブルカーのようなもので、速度はとても遅く、これだけでも珍しく乗ってみる価値はあります。

　四方津駅は、新宿・東京まで直通 の電車も設定されていますが、高尾どまりの電車も含め、１時間に２～３本しか列車がありません。これではさすがに不便ではないかという気がしますが、自然豊かなところにすめるというメリットもあります。コモアしおつのタウン内には、コンビニやファミレスなどはなく、商店も実質的にはスーパー１軒のみ。しかし、統制の取れたきれいな町並みは、歩いてみると誰でも心惹かれるものがあるでしょう。

　タウン内の維持管理、エレベーターの維持も含め、住人には共益費が課されており、マンションに通じるものがあります。しかし、東京からの利便性と、自然の豊かさなどを考えると、セカンドハウスとして購入するという選択肢もありそうです。