会員制販売とまとめ売りで急成長した、家具小売り大手の大塚家具は、創業者の父と、その娘とが経営権を巡って激しく対立し、株主総会にあたって委任状争奪戦という醜い争いになりました。 一部の人たちは、この騒動を、「マスコミは父と娘の確執のように報じるがけしからん、純粋に、経営方針の対立であり、たまたま親子だっただけだ」と言います。果たしてそうでしょうか? 経営方針の違いだけだったら、こんなに泥沼にはならず、もっとドライに決着が付くはずです。これは親子だからこそ、こんなに揉めたと考える方が自然でしょう。 ですから、マスコミが「お家騒動」のようにおもしろおかしく騒ぎ立てるのには一理あるのです。 それにしても、久美子社長というのはスゴイ人です。父親が作った会社から父親を叩き出すというのは、 並大抵の神経ではできないでしょう。旧来の経営方針だと会社がつぶれてしまうとしても、自分で作った会社を自分でつぶすのなら本望というものです。娘に追い出されるという形では、死んでも死にきれないほどの悔しさが残るでしょう。お父さんは、とても成仏できそうにありませんね。