日本では、クリスマス・イブは恋人と過ごすものと決まっています。既婚者は、家族と過ごします。従って、クリスマス・イブを一人で過ごすというのは「大変さみしいこと」で「不幸なこと」とされています。賛否両論あるでしょうが、現実問題として、現代の日本文化ではこういうことになっていると言えます。

　一人で過ごすにも色々あるでしょうが、そうなるとさみしいので、なるべくクリスマス色のないところに行こうと考えるのが、当然です。すると、夕食は和食か中華ということになるでしょう。

　ですから、クリスマス・イブに一人で食べる晩ご飯は、牛丼屋かラーメン屋がお勧めなのです。一人で来る客が多いし、雰囲気もクリスマスとはかけ離れている。牛丼屋がクリスマスになってもツリーを飾ったりクリスマスらしい装飾やメニューを出さないのは、こういった理由があるのです。

　イブに一人で牛丼屋なんて「淋しい」「切ない」「不幸だ」などと考えがちですが、 これはこれでオツなものです。去年は「すき家」だったから、今年は吉野家で食べようか、来年は松屋にしようか、などと考えながら、クリスマスに浮かれた世間をあざ笑うかのように、リーズナブルにクリスマスイブを過ごすのも良いのではないでしょうか。