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中央大学の都心回帰 郊外辺境の大学は生き残れるか

 
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 中央大学が、キャンパスを都心に戻すことを検討しているようです。これが、大学業界に大きな波紋を投げかけているというから、驚きです。

 何しろ、団塊ジュニア世代が大学生の頃、大学は左うちわの経営で、あふれるほどの入学志望者が居ましたから、キャンパスを拡張して多摩や八王子や所沢などの郊外の不便な場所に移し、都心の土地を再開発したりして旨みを得ていました。

 当時の我慢強い学生は、競争率の高い大学受験を乗り越え、片田舎のキャンパスにおとなしく通って、今の日本を支えるに至っているのです。

 しかし、どうでしょう。大学全入時代といわれ、定員割れも珍しくない現在、私大はまさに生き残りを賭けています。こんなときに、アピールポイントになるのは立地であり、足かせになるのは不便な場所にあるキャンパスでしょう。

 実はこれは住宅ブームでも経験していることで、増える都市圏人口に住宅供給が追いつかなかった頃、人は都心をどんどん離れて、2時間の通勤時間にも耐え、郊外の片田舎に持ち家を求めて満足していました。

 しかしそうしたニュータウンは完全に曲がり角を迎え、ゴーストタウン化し、売るに売れない悲惨な状態が出始めています。大学の立地も、これを踏襲した歴史を辿っていますが、住宅取得は30歳代が多いのに比べ大学入学は18歳ですから住宅の問題が少し先に表面化したのですね。

 もはや大学は、立地で淘汰される時代。それが、
もう目の前までやってきているのです。東大も、理系学部を柏に移転させようなどとしている場合ではないでしょう。

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