元来、東急東横線は、ＪＲ中央線と並ぶ不動の人気を誇る路線でした。東横線と並んで東急電鉄の旗艦路線である田園都市線は、ハイソサイエティな住民が沿線に集まる路線として有名です。

　共に渋谷を起点とする路線でしたが、田園都市線の自慢は何といっても「大手町まで直通運転」であることでした。また、急行電車の停車駅が東横線に比べて少なく速達性に優れていること、10両編成であること、二子玉川に髙島屋があることも見逃せないでしょう。

　しかし、東横線が特急電車の運行を始めた頃から風向きが変わってきます。元々、横浜という大繁華街にして一大地方都市である目的地を持っている東横線は、ルート的には明らかに強いものがあります。そして、東横線が副都心線と直通運転を始めると、急行は10両編成になりました。

　今現在、東横線利用者が田園都市線を羨むポイントは、 「渋谷駅が東横線より浅くて便利」ということに尽きるでしょう。一方、田園都市線利用者は、「東横線の方が若干すいている」ことと「都心には行かないものの、新宿や横浜に直通なこと」が羨むポイントとなっています。