田舎の人間関係・人付き合いというのは、都会暮らしの人からしたら想像もつかないほど別世界のものです。特に、都会に出た子どもに対して、ミカンやリンゴ・柿などの果物を始めとした農産物を送る例は、とても多いものです。 当然、送ってこられても持てあますわけですが、そんなことは親も十分承知。それを近所の人やお世話になっている上司・友人におすそ分けすることで、人間関係が円滑に運ぶと本気で信じているのです。 しかし、都会の人たちは、そうは考えません。田舎から送ってきたと言って、ミカンやリンゴをもらっても、持って帰るのも重たいし、大してありがたくありません。これが毎年のこととなれば、もはや嫌気がさしてきます。そして「押しつけだ」と受け止め、迷惑だと考えるようになるのです。 こう言ったことは、なにも一人暮らしの学生でなくても、結婚した後でさえ良くあることのようです。こうして、親の好意のせいで板挟みとなった子どもは、泣く泣く「食べきれず捨てる」という選択をせざるを得なくなるのです。 そういう選択ができる人はまだ良い方です。 本当に可哀相なのは、こういった果物やら何やらを本当に知り合いに配ってしまい、疎まれることになっている人でしょう。