不妊というものは残酷なもので、当初は「なかなか子供ができない」くらいの認識しかなくても、やがては不妊治療に大金と労力をつぎ込んで精神を摩耗し、その末に、あきらめ、「子供のいない夫婦」として一生生きていくことになります。

　子供が居る人にとっては、自分の生活や人生の中に於いて子供のウェイトは大きく、会話の中に必然的に子供に絡んだ話題というのが出てきてしまうものです。

　しかし、子供のいない人や、不妊カップルの前では、子供の話は慎むべきですね。そんなこと記にしていても仕方がない、と考える向きもありますが、それは所詮、不妊の苦しみを分かっていない人の考え方です。目の前で楽しそうに子供のことをしゃべる友人がいれば、その子なしさんは棍棒でぶん殴られているぐらいのダメージをきっと受けているはずです。そして、そういう心ないことをしているあなた自身の評価をも落とします。

　ところで、タレントのタモリは子供がいないそうですが、 「笑っていいとも！」のテレフォンショッキングのゲストは、ときどき、嬉しそうに子供の話、親バカな様子を話したりします。これを全然オッケーとしているのは、タモリの度量と言うべきでしょう。

　逆に、そんな度量を持った人は少数派で、タモリはさすがだけれども、普通の人の前では元に慎むべきです。